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zoom RSS グリーグ 《ペール・ギュント》 テンプレ公開と「ソルヴェイグの歌」YouTube動画公開

<<   作成日時 : 2016/04/16 11:00   >>

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ペール・ギュントエドヴァルド・グリーグ 《ペール・ギュント》 の対訳テンプレートを作成しました。オペラではありませんが、メンデルスゾーンの《真夏の夜の夢》などと同様、舞台作品につけた歌ということでプロジェクトで扱います。

対訳テンプレートはこちら → ペール・ギュント

台本はヘンリック・イプセンです。「ペール・ギュント」は劇詩、つまり戯曲の形式を用いた韻文物語ということでいいでしょうか。もともと舞台上演を意識して書いたわけではなかったそうですが、やっぱり舞台化しよう音楽もつけようということでグリーグに依頼が来たんだそうです。

今回用意したテンプレはイプセンの全テキストではなく、グリーグが音楽をつけたところだけを抜き出したものです。おそらく、ネーメ・ヤルヴィ指揮による全曲盤のテキストと同じです。

イプセンなら著作権保護期間が切れた邦訳があるだろうと探してみました。ありました。しかも楠山正雄、また出たよ!

ペール・ギュント/イプセン 作/楠山正雄 譯

もともとは物語倶楽部という電子図書館で公開されていたテキストのようです。物語倶楽部は本サイトが消滅したらしく、その後コンテンツはあちこちのサイトでアーカイブされているようです。青空文庫でも作業が進んでいます。

楠山訳から対応する箇所を探してコピペすればすぐに対訳が完成しますね。まあ私がやって出来ないこともないのですが、できればグリーグ・ファンにやってもらいたい。誰も手をつけなかったら数年後に仕方なく私が作業するかもしれません。もちろんノルウェー語できる方が自分で訳してもらっても結構。

ソルヴェイグの歌です。

Kanske vil der gå både Vinter og Vår,
og næste Sommer med, og det hele År,
men engang vil du komme, det ved jeg visst;
og jeg skal nok vente, for det lovte jeg sidst.

Gud styrke dig, hvor du i Verden går,
Gud glæde hvis du for hans Fodskammel står
Her skal jeg vente till du kommer igjen;
og venter du hisst oppe,
vi træffes der, min ven.

こちらが楠山訳。

冬も過ぎ春も暮れなん、
來ん夏も亦、ひととせもつひに過ぎなん。
されどわれはよく知れり、君いつか歸り來まさん。
別れし時の誓のまゝに、わらはは君を待ちてすごさん。

神よ、君に力を授け給ひぬ。世界の中のいづくに君が行き給ふとも。
神よ。君に喜びを與へ給ひね。君、み神の足臺に立ち給ふとき。
君のまた歸ります日を、わらははこゝに待ちて過ごさん。
君天國にて待ちまさば、わらはもそこに出で會ひなん。

楠山はドイツ語もフランス語もイケたようですが、さすがにノルウェー語までは無理だったと思います。この「ペール・ギュント」はノルウェー語を訳したわけではなく、ドイツ語からの重訳ではないでしょうか。ノルウェー語はなじみが薄いため「ペール・ギュント」は昔からドイツ語で歌われた音盤がたくさん出てますね。国立国会図書館デジタルコレクションにある昭和4年の楽譜もドイツ語です。こちらが流布しているドイツ語歌詞。

Der Winter mag scheiden, der Frühling vergehn,
der Sommer mag verwelken, das Jahr verwehn,
Du kehrst mir zurück, gewiss, du wirst mein,
ich hab es versprochen, ich harre treulich dein.

Gott helfe dir, wenn du die Sonne noch siehst.
Gott segne dich, wenn du zu Füssen ihm kniest.
Ich will deiner harren, bis du mir nah,
und harrest du dort oben, so treffen wir uns da!

でもこのドイツ語訳、楠山訳と対照すると少し違ってませんか。IMSLP の楽譜に当たると、このドイツ語は Wilhelm Henzen によるものらしいです。一方、プロジェクト・グーテンベルクには Christian Morgenstern のドイツ語訳が掲載されています。そのソルヴェイグの歌がこちら。

Vielleicht geht der Winter, und der Frühling folgt nach,
Und der Sommer dazu, und das ganze Jahr; –
Aber einst wirst Du kommen, das, weiß ich, ist wahr;
Und ich werde warten, wie ich Dir's versprach.

Gott stärke Dich, wo in der Welt Du auch gehst!
Gott segne Dich, wenn Du vor seinem Fuß-Schemel stehst!
Hier wart' ich, mein Freund, bis Du kommst, nach Deinem Wort;
Und wartest Du dort oben, so treffen wir uns dort!

楠山は Morgenstern のドイツ語から邦訳を作ったのかもしれませんね。

その辺の字幕の対照がいい加減ではあるのですが、この機会にドイツ語日本語歌詞対訳字幕付きYouTube動画を作ってみました。ソルヴェーイを歌うのはイルゼ・ホルヴェーイ。名前が北欧っぽいですがドイツ人みたいです。トーマス・ビーチャム指揮、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団です。



この音源は公開から50年以上が経過し、日本をはじめ著作隣接権保護期間を50年と定める国では、パブリックドメインとなっています。

今回公開したテンプレはノルウェー語だけですが、ドイツ語の対訳を作りたいという方がいらっしゃったらページを用意します。Wilhelm Henzen のドイツ語を自分で探して対訳を作ってください。

今月、全曲の演奏会があるみたいです。語りは日本語として、歌はノルウェー語なんですかね、ドイツ語なんですかね?

グリーグ/劇付随音楽『ペール・ギュント』全曲<字幕・語り付>

第878回オーチャード定期演奏会
2016年4月24日(日) 15:00 開演(14:30 開場)
Bunkamura オーチャードホール

第879回サントリー定期シリーズ
2016年4月25日(月) 19:00 開演(18:30 開場)
サントリーホール 大ホール

第101回東京オペラシティ定期シリーズ
2016年4月27日(水) 19:00 開演(18:30 開場)
東京オペラシティ コンサートホール

ソールヴェイ(ソプラノ):ベリト・ゾルセット
ペール・ギュント(バリトン):大久保 光哉
アニトラ(メゾ・ソプラノ):富岡 明子
合唱:新国立劇場合唱団

東京フィルハーモニー交響楽団

指揮:ミハイル・プレトニョフ
語り:石丸 幹二

先月の記事でペリコールなんて馬が走ってると書きましたが、ソルヴェイグ(牝3歳/栗毛)はペリコールより出来る子で桜花賞に出走したみたいです。8番人気でスタートするも残念ながらブービーに沈みました。

ペール・ギュント
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