R. シュトラウス 《アラベラ》 全幕 YouTube動画公開

アラベラシュトラウス 《アラベラ(アラベッラ)》全幕のドイツ語日本語対訳字幕付きYouTube動画を公開します。日本語訳はwagnerianchanさまです。

動画はこちら → アラベラ
対訳はこちら → アラベラ

全幕動画完成となったリヒャルト・シュトラウスのオペラは今回の《アラベラ》を含め次の3本です。今年はシュトラウス生誕150年ですので、シュトラウスの動画対訳をもう少し増やしたいと思っています。(でもシュトラウスあんまり見られてないんだよな~)

YouTube → サロメ(ショルティ)<既出>
YouTube → エレクトラ(ベーム)<既出>
YouTube → アラベラ(ショルティ)

今回の音源は、リーザ・デラ・カーザヒルデ・ギューデンのソプラノ、ショルティ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団です。2年前に第1幕のみ動画対訳にしましたが、第1幕からやり直して全幕1本の動画に仕上げました。

その2年前の第1幕動画の調子が悪いです。冒頭の音が欠落します。調べてみると2012年以前にアップした動画で頻繁に欠落が発生しているようです。アップした当初は問題なかったのでその後YouTube側で何か変更を加えた結果としか考えられません。《エレクトラ》の冒頭なんて音が欠けるとまるで締まらない。困ったもんです。《エレクトラ》作り直すか…(なんかうれしい?)。

このショルティ盤は公開から50年以上が経過し、日本をはじめ著作隣接権保護期間を50年と定める国では、パブリックドメインとなっています。幕切れにグラスを割るシーンで使ったすばらしい3D動画(一瞬ですが)はRaphaelさんからお借りしました。



《アラベラ》は動画対訳向きのオペラと言えましょう。第1幕冒頭のママと占い師の対話のように、短い時間にテキストが詰まっていて台詞のスピードが速いところがたくさんあります。テキスト対訳を目で追いかけるのはちょっとたいへん。(ていうかこの部分を正確に追える人はもう頭に入っているということで対訳必要ない人です)

動画対訳なら字幕が台詞にあわせて流れてくれますから楽チンです。またDVDの字幕だと字数と表示時間に制約があって、このスピードで台詞のすべてを表示しきれないはずですし。

こういうスピード感のある展開はシュトラウスの得意技で、芝居(ストレートプレイ)と同じ速さで劇を進行させることができるのが自慢だったようです。普通オペラでは母音を引き延ばし時間をたっぷりかけてフレーズにしないと歌として成立しませんから。

R.シュトラウス《アラベラ》

 リーザ・デラ・カーザ(ソプラノ:アラベラ)
 ヒルデ・ギューデン(ソプラノ:ズデンカ)
 ジョージ・ロンドン(バリトン:マンドリカ)
 オットー・エーデルマン(バス:ヴァルトナー伯爵)
 イーラ・マラニウク(アルト:アデライーデ)
 アントン・デルモータ(テノール:マッテオ)、他
 ウィーン国立歌劇場合唱団
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 指揮:サー・ゲオルク・ショルティ

 録音時期:1957年5月、6月 (P)1958
 録音場所:ウィーン、ゾフィエンザール
 録音方式:ステレオ(セッション)

ウィーンの冬の風物詩といえば舞踏会。ウィーンの舞踏会は伝統的に職能毎に開催されるものらしいのです。パン屋はパン屋同士、医者は医者同士集まって舞踏会を開くというのが今日まで連綿と続いているようです。(もっとも今日では多分に観光化しているのかも)

おそらくお見合いの場としても活用されていて、パン屋の息子はパン屋の娘を嫁にし、息子のいないパン屋はパン屋の次男坊を婿養子にする、なんて光景が舞踏会を背景に繰り広げられていたのではないかと想像します。

第2幕の舞台となる「御者舞踏会」はウィーン中の御者が一家総出で集まる舞踏会ということか(この晩ウィーン中から馬車が消える?)。ひょっとすると今日ではタクシー運転手の舞踏会に形を変えて続けられているのかも(その晩タクシーが消える?)。

ヴァルトナー伯爵一家も「御者舞踏会」に向かいます。しかしなぜ「御者」舞踏会なのか?貴族なのに?

このあたりの事情を解説してくれる参考書に出会ったことがないので、ウィキペディアの記述「(ホフマンスタールは)未完の戯曲『伯爵になった御者』のアイデアを加え構想を練った」をヒントに考えてみました。

テオドール・ヴァルトナーはもともとウィーンで御者をやっていた。兵隊にとられ(馬を扱うのは得意だから)騎兵隊に配属され、(まちがいなく棚ボタの)戦功を上げるうちに騎兵隊長にまで昇進し爵位を授かった。当時オーストリア=ハンガリー帝国が支配していた(映画「夏の嵐」や「プリンセス・シシー」でおなじみ)北イタリアに駐屯しているときに、同じくハンガリーから派遣されていたマンドリカ(叔父)と馴染みになった。退役するも伯爵なだけに御者に戻るわけにもいかず(でも舞踏会には昔の仲間が呼んでくれる)、もちろんホンモノの貴族のように代々引き継いだ土地や資産があるわけでもなく、加えてギャンブル好きとあっては恩給をたちどころに使い尽くし借金の山をこさえ、もうウィーンから夜逃げするかアラベラが玉の輿に乗るか、二つに一つしかないという状況に追い込まれてしまった。

こんなところではないかと…あくまで私の想像です。

さて、来週には新国立劇場で、秋には県民ホールで《アラベラ》が上演されます。予習・復習に動画対訳・テキスト対訳をお役立てください。

新国立劇場オペラ 「アラベッラ」 →チケットぴあ

5/22(木)~6/3(火)

アラベッラ:アンナ・ガブラー
ズデンカ:アニヤ=ニーナ・バーマン
マンドリカ:ヴォルフガング・コッホ
マッテオ:スティーヴ・ダヴィスリム マルティン・ニーヴァル
ヴァルトナー伯爵:妻屋秀和
アデライデ:竹本節子
エレメル伯爵:望月哲也
ドミニク伯爵:萩原 潤
ラモラル伯爵:大久保光哉
フィアッカミッリ:安井陽子
カルタ占い:与田朝子

合 唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

指揮:ベルトラン・ド・ビリー
演出・美術・照明:フィリップ・アルロー
衣裳:森 英恵


首都オペラ公演 「アラベラ」 →チケットぴあ

10/11(土)~10/12(日)
神奈川県民ホール 大ホール

11日
アラベラ:津山恵
マンドリカ:月野進
ズデンカ:山口佳子
マッテオ:内山信吾
ヴァルトナー:東原貞彦
アデライーデ:佐伯葉子
フィアカーミリ:石井実香
エレメル伯爵:浅野和馬
ドミニク伯爵:御舩剛
ラモラル伯爵:宇田川慎介
占い女:前坂美希
ホテルのボーイ:柳亭雅幸

12日
アラベラ:藤井直美
マンドリカ:安藤常光
ズデンカ:渡辺文子
マッテオ:佐々木洋平
ヴァルトナー:佐藤泰弘
アデライーデ:相馬百合江
フィアカーミリ:梅津碧
エレメル伯爵:浅野和馬
ドミニク伯爵:御舩剛
ラモラル伯爵:宇田川慎介
占い女:前坂美希
ホテルのボーイ:柳亭雅幸

管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
合唱:首都オペラ合唱団

指揮:中橋健太郎左衛門
演出:佐藤美晴
総監督:永田優美子

新国は「アラベッラ」でずっと通すつもりみたいね…。しかしオペラ業界、相変わらず演目カブるよな~。

アラベラ
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