マスネ 《ウェルテル》 カラスが歌うシャルロッテ YouTube動画公開
マスネ 《ウェルテル》から第3幕「手紙の場」をフランス語日本語対訳字幕付き動画にしました。動画はこちら → 手紙の場
対訳はこちら → ウェルテル
シャルロッテを歌うのはマリア・カラス。自分の声質や性格には合わない役(ヴェルディ後期とかプッチーニとか)であっても類まれな表現力でカバーしてしまうカラスですが、メゾ・ソプラノの役を歌ったアリア集も残しています。既に動画対訳にしたデリラも見事でした。この「手紙の場」も完璧です。
けどさ、このシャルロッテはねえわ!どこの女王様だよ!w
音源は1963年録音同年公開の「パリのマリア・カラスⅡ」と題したフランス語のアリア集から。この音源も公開から50年以上が経過し、日本をはじめ著作隣接権保護期間を50年と定める国では、パブリックドメインとなっています。
パリのマリア・カラスⅡ
1.グルック『トーリードのイフィジェニー』~不幸なイフィジェニー
2.ベルリオーズ『ファウストの劫罰』~ロマンス
3.ビゼー『真珠とり』~ここに私はたったひとり…いつかのような暗い夜に
4.マスネ『マノン』~さようなら、私たちの小さなテーブルよ
5.マスネ『マノン』~私が女王様のように町を行くと
6.マスネ『ウェルテル』~手紙の歌
7.グノー『ファウスト』~トゥーレの王…宝石の歌
マリア・カラス(S)
ジョルジュ・プレートル(指揮)
パリ音楽院管弦楽団
録音時期1963年5月2-8日
録音場所Salle Wagram, Paris (P)1963
マリア・カラスは最晩年(といってもこのときまだ48歳なのですが)にジュリアード音楽院でマスター・クラスを開催していて、そのときの録音が残っています。シャルロッテをこんな風に指導しています。
このアリアは非常に私的であり、同時に悲劇の予感もはらんでいるように歌わなくてはなりません。そしてノスタルジックな思い出の色彩も含んでいます。まず最初の2回の「ウェルテル!」という呼びかけを歌ってみて頂きたいのですが情感を込めて1回目を、そしてさらに2回目にアクセントをつけて、思いをこめて。彼女の魂のすべてがこのたった一つの名前に注ぎこまれているのです。そして歌う時に笑顔を見せてはいけません。ただただ彼の事を夢想するのです。ウェルテルも大変苦しんでいますし、彼女もまた苦しみぬいているのです。恐ろしいほどの苦しみです。でもこのアリアは、内密な、私的な感覚で歌われるべきです。「ああ!」と大声でわめくようなものではありません。
この曲は彼女の苦しみの曲なのです。彼女は長い間苦しんで来たのです。もう耐えられないと言う苦しみの中にいます。ですから、それを表現しなければなりません。もう一度、家に持ち帰って読んでみてごらんなさい。何度も繰り返して読んで、細かく噛み砕いて。彼女が手紙を読んで、自分に繰り返し言い聞かせているのを。貴女のその声で演じるのです。
静かに、自分の内面に親密に、でも緊張感を持って、つまり、この曲は、これより後に起きる悲劇の準備段階でもあるのです。分かりますか?ですから、自分なりに研究してみて下さい。家に帰って、歌詞を読み込んで、ひとつの確かなまとまりにするのです。そしてこの役で苦しんでみるべきです。内面的にね。何を言っているのかしっかりと考えないと、口から出てくる言葉はそうは聞こえません。考えていないと、聴衆にはいったい何が起こっているのか伝わりませんよ。これは非常に長い間苦しんだ女性の内面の、悲劇的な曲なのです。
歌手というのはたいへんな職業ですね。「誰もがあなたのように美しく哀しい人生を歩めるわけではない」と言いたくなる生徒さんもいるんでは。
4月にはMETライブビューイングの《ウェルテル》上映があります。
METライブビューイング マスネ《ウェルテル》
上映期間:2014年4月12日(土)~4月18日(金)
MET上演日:2014年3月15日
指揮:アラン・アルタノグル
演出:リチャード・エア
出演:ヨナス・カウフマン、ソフィー・コッシュ、リゼット・オロペーサ、デイヴィッド・ビズィッチ、ジョナサン・サマーズ
予習・復習にテキスト対訳、動画対訳をお役立てください。
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