アルバン・ベルク ≪ルル≫ 訳出完了

Berg: Lulu; Wozzeckアルバン・ベルク ≪ルル≫(2幕版)の対訳が完成しました。wagnerianchan様による個人完訳5作目です。おつかれさまでした。

対訳はこちら→ ルル

日本語の一人称は「わたし」「わたくし」「あたし」「あたい」「ぼく」「おれ」などなどたくさんあるので、リブレットを日本語に翻訳するとき登場人物にどの人称代名詞で語らせるか、ちょっと悩むところです。人称の呼び方を決めると全体の口調も決まってきます。このへんあれこれ考える作業はオペラを脳内演出しているようで結構楽しいものです。

wagnerianchan様の訳文は、登場人物それぞれのキャラクターイメージをふくらませて日本語台詞を当てていて、現代的なリアリティがあります。≪ルル≫は表面的には東海テレビの昼ドラみたいなお話なので、こういうくだけた訳がぴったりです。アカデミックな翻訳とは違ったテイストの対訳を提供できるというのも、当プロジェクトの存在意義ではないかなと思っております。

さて問題の第3幕ですが、リブレットは掲載していません。第3幕の成立過程はウィキペディアあたりを読んでいただくとして、当プロジェクト的には次の点がポイントとなります。
●アルバン・ベルクは台本を完成させたうえで作曲を始め、音楽のみ未完の第3幕を残して1935年死亡。
●ベルク夫人はシェーンベルクなどに補筆を断られた後≪ルル≫を封印。
●ベルク作品を管理するウニフェルザル社は、夫人の了解を得ずツェルハに補筆を依頼し、夫人の死後公開。
●第3幕のリブレットには『Copyright © 1977 by Universal Edition A.G. Wien』の表示がある。

権利関係にシロートな私に言わせれば
少なくとも台本の著作権は1986年1月1日で保護期間を終了しているため自由に利用できるはずだし
保護期間中に権利の継承者である夫人の了解を得ずにベルクの台本を基に再創造しておきながらなお、台本を自らの著作物であるかのごとき主張をする出版社はおこがましいにもほどがある
と言いたいところですが、

ウニフェルザル社と言えばIMSLPの活動にケチをつけた出版社ですし、「アリアドネ著作権裁判」のブージー&ホークス社といい、権利関係で飯を食ってる欧州の出版社はヤ○○みたいな連中らしいので、まあ極東のなんちゃらプロジェクトなぞOut of 眼中でしょうが、おとなしくしていようかと思います。


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