オペラ対訳プロジェクト広報室

アクセスカウンタ

zoom RSS オペラのためのオーディオ(12)〜 マゼールのバッハ

<<   作成日時 : 2017/12/23 19:00   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

ピュアオーディオロリン・マゼールを「変態」呼ばわりする人を心密かに軽蔑しています。久々のオーディオチェック用CDを紹介する企画はマゼールのバッハです。

オペラのためのオーディオ

オーディオチェックによく使うのは「管弦楽組曲」第2番と「ブランデンブルク協奏曲」の第3番、第4番あたり。右のジャケ写は「管弦楽組曲」全曲盤から第2番と第3番、第4番からプレリュードを1枚に収めたCDです。

これがCD化されて出た時はうれしかったな。今はなき横浜ビブレのHMVで見つけました。買ったあと隣の桂花(これももうないらしい)で太肉麺ができる間、ずっとジャケットを眺めてニヤニヤしてましたっけ。この「管弦楽組曲」に続いて、「ブランデンブルク」全曲がCD2枚で分売されたのだったと記憶します。当時は今みたいにネットで新譜情報が流れてくる時代じゃなかったので、結構こまめにリアル店舗に足を運んでは新しく出たCDを見て廻ったものです。

しかし今マゼールと聞いて、マーラーやシュトラウスといった後期ロマン派やオペラといったコッテリした音楽をイメージする人はいても、バッハをイメージする人はほとんどいないんじゃないでしょうか。

一連のバッハ録音(あと「ロ短調ミサ」と「復活祭オラトリオ」)がLPで発売された当時をリアルタイムで知ってるわけはない私が、なんでそのCD化を心待ちにしていたかというと、吉田秀和先生の有名な著作で取り上げられていたからです。ちょっと引いてみましょうか。

彼が、とりわけて、好んで演奏するのは、J.S.バッハであるという話も、私には、無条件で納得できる。(中略)マゼールにとっては、バッハこそ、彼が安心して、彼のすべてをありのままに託して悔いることのない、ほとんど唯一の音楽であり、そこでは、ふだんマゼールが人との交わりの中ではめったに出すことのできない心の奥に流れているものが、巧まず、自然な形で出せる状態になっていることがよくわかる。

マゼールは最晩年、監督を務めたニューヨーク・フィル最期のシーズンの定期演奏会で、「ブランデンブルク」を6回に分けて組み入れていました。バッハに対する想いは終生変わることはなかったと思われます。

マゼールが、バッハの演奏にすぐれている技術的な理由の一つは、彼がメトリック、つまり小節や楽節の強拍やアクセントの基本を徹底的に身につけている点にある。(中略)そのことは、『ブランデンブルク協奏曲』のように一定のパターンを何回でも反復しながら音楽を前進させ形成してゆく作風の場合はいうまでもなく、このミサ全体を通じても、きわめてはっきり出てきていて、複雑な合唱をさばきながら、管弦楽がその陰で、アクセントを入れ、合唱を支え、間奏を埋めているのをきいていると、私には、マゼールのあの首を細かく動かしながら、アクセントをつける姿がありありと目の前に浮かんでくるのである。

「ミサ」とはもちろん「ロ短調ミサ」のことです。

「管弦楽組曲」と「ブランデンブルク協奏曲」は、その後何度か再発され、今ならタワレコ復刻盤がたやすく手に入るはずです。

まあ「管弦楽組曲」第2番のプレリュード冒頭からして、のけぞりますけどね。「なんじゃ、この分厚い音は!ほーら、やっぱ変態じゃん!」という声が聞こえそうです。けどマゼールはこれ大真面目でやってんですよ。

もちろんモダン楽器だし、イネガルなんかするわけないし、「ブランデンブルク」ではリコーダーすらモダン・フルートで代用です。そういうことにいちいちケチをつけたい人は、イデオロギーに一生寄りかかって生きて行けばいいんじゃないでしょうか。

ありがたいことに、マゼールの一連のバッハ録音は、公開から50年以上が経過し、日本をはじめ著作隣接権保護期間を50年と定める国ではパブリックドメインとなっています。音源を一部 mp3化したものをちょっと貼っておきましょうか。

「管弦楽組曲」第2番〜バディネリ



吉田先生のいう「アクセントの基本」がよく聴き取れると思います。清々しいバッハです。

「ブランデンブルク協奏曲」第4番〜終楽章



まあなんという浄福の音楽でしょうか。

この吉田先生の「マゼール」の項はたいへん冴えていて、前半かなりの部分をマゼールの人柄に焦点を当てて書かれていますが、いまこうして読み返してみると、あの「1989年の挫折」を予言しているようにすら思えるのです。


オペラのためのオーディオ
ランキングを見る(にほんブログ村 オペラ)
ランキングを見る(人気ブログランキング クラシック)

ピュアオーディオ

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
オペラ

オペラ

オペラ

人気ブログランキングへ

オペラ対訳プロジェクト


オペラ対訳完成


その他対訳完成


オペラ配役プロジェクト


リンク


オペラのためのオーディオ(12)〜 マゼールのバッハ オペラ対訳プロジェクト広報室/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる